「メタボリックシンドローム」とは?
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪蓄積を基盤として血圧や血糖、血清脂質の異常をひきおこす病態と考えられています。
「メタボリックシンドローム」の基準
「メタボリックシンドローム」を改善、予防する為に
メタボリックシンドロームの元々の原因は内臓脂肪蓄積にあります。内臓脂肪蓄積の指標としては、腹囲を用いています。つまり、腹囲が基準値以下になれば、血圧や血糖、血清脂質も改善する可能性が高いということです。腹囲が大きくなってしまう最も重要な原因は、食べ過ぎと運動不足です。そのため、メタボリックシンドロームの解消の基本戦略は、食べ過ぎと運動不足の解消にあります。
バランスの整った食事をしましょう
食事は、主食(ごはん、パン、めん類)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜)で構成されます。
主食の重複や主菜の重複は、食べ過ぎにつながります。並べ方を知り、バランスよく摂りましょう。
エネルギーを摂り過ぎやすい食品
糖質や脂質を多く含む食品やアルコール等はエネルギーが高いため注意が必要となります。
【お菓子類】
お菓子は見た目以上にカロリーが高いです。
甘い物・しょっぱいもの・洋菓子・和菓子に関係なく、食べる量や頻度を見直してみましょう。
【果物】
果物は果糖が多いため、摂り過ぎは体重増加を招きます。
一日の摂取量の目安は、片手のひらに乗る程度です。バナナは1本、りんごなら1/2個程度です。
【アルコール】
アルコールは1gあたり7kcalあります。飲み過ぎると、摂取エネルギーも増加します。
一日の適量はアルコール量20g未満です。「適量」を目安に飲みましょう。
〈一日の適量〉
ビール500ml(約200kcal)、日本酒1合(約200kcal)、焼酎0.5合(約130kcal)
【牛乳・ヨーグルト】
牛乳・乳製品はカルシウムが多く毎日摂りたい食品ですが、脂肪が多いため、摂り過ぎると太る原因となります。一日の適量は牛乳・ヨーグルト合わせて200ml(g)です。
食べ過ぎを防ぐ食習慣のポイント
食事内容や量ばかりを考えるのではなく、食習慣を整える事もまた肥満の予防、改善には重要です。
【欠食なく3食を規則正しく摂る】
欠食は食事と食事の間隔があくため、まとめ食いをして1回の食事量が増加する可能性があります。また、欠食をすると身体が飢餓による危機感を感じ、エネルギーをため込みやすく、消費エネルギーを抑えてしまいます。
【ゆっくり良く噛んで食べる】
「腹一杯になった」と脳が感じるには、約20分程度かかると言われています。早食いは食べ過ぎの原因となります。良く噛むことで脳の満腹中枢を刺激し食べ過ぎを防ぎます。
【食事時間をかけすぎない】
ゆっくりと食事を摂ることは大切ですが、ダラダラ時間をかけて食べることは、かえって食べ過ぎを招きます。メリハリをつけて食事を摂りましょう。
【野菜料理を充実させる】
見た目のボリューム感を出すため、野菜料理を多く揃えることは、食べ過ぎを防ぐ方法の一つです。
【間食やデザートを控える】
間食やデザートの摂取は、さらに摂取エネルギーを増加させます。
【夕食後から寝るまでの間の飲食などを控える】
夕食後のさらなる飲食はエネルギーの摂り過ぎとなり、内臓脂肪を増やす原因となります。
【目のつくところに食べ物をおかない】
目につくと食べたくなるものです。置き場所の工夫や買い方(まとめ買い)に注意しましょう。
【外食では栄養表示を参考にする】
外食は比較的カロリー・塩分・脂肪分の多いものが多く、エネルギーを摂り過ぎる可能性があります。栄養表示等がある場合は参考にしましょう。主食・主菜・副菜の揃った定食を選ぶとバランスが摂れ、満足感を得られやすくなります。
定期的な運動習慣のポイント
【できるだけ階段を使う】
エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うことで、日常生活に運動を取り入れることができます。
【適度な運動をこころがける】
ラジオ体操やストレッチなど、あまり負担にならない程度の運動を心がけましょう。無理な運動はなかなか続かず、身体や気持ちにも返って負担になることがあります。
【なるべく歩く】
いつもは車で行くような近場の買物や用事などを歩きに変えてみたり、犬の散歩や、家族や友人と一緒に散歩するなど、なるべく歩くようにしましょう。1日の歩数の目安は8,000~10,000歩くらいです。万歩計などで記録して、楽しく運動を取り入れましょう。
メタボリックシンドロームの改善は、食べ過ぎと運動不足が主な原因ですが、これらはなかなか自力で改善することは困難な生活習慣でもあります。仕事が忙しく帰宅時間が遅かったり、土日も仕事で忙しい人など、環境によっては運動する時間がなかなか取れないという場合もあるでしょう。健康の宝石箱では、食生活の改善や運動などを適切な方法で、効果的に行うサポートをいたします。お気軽にご相談下さい。